君が生まれたとき








お願い
理科や保健の授業で「生命の誕生」という学習をしています。
一月に一個しか作られない卵子。
そして3億匹射精されても卵子のところへたどりつけるのはたったの数百個、さらに、卵子のなかに入って受精卵となれるのは、たったの1個という精子と卵子の神秘的な出会い。
「命が生まれるということはたいへんなんだなあ」と学習を深めるうちに子どもたちは気づいてくれたようです。
そこで、子どもたちが興味をもつのは、自分が生まれたときのことや自分が赤ちゃんだったときのことや妊娠中のおかあさんの様子です。
10年ほど前の記憶をよみがえらせてぜひ、お子さんに話してやってください。
また、「みんながそれぞれ待ちわびられて生まれてきた命で、大切に育てられてきたかけがえのない命なんだ」ということを分かってもらうために、おかあさん方のメッセージを印刷して一冊にまとめたいと計画しています。
急なお願いで申し訳ありませんが、印刷・製本して今度の授業参観でおひろめしたいと考えております。
また、20日(金)に子どもたちには、妊婦体験をしてもらおうと思っています。
自分の作ったナップサックに6sのお水と生卵の入ったビニールふくろをつめて一日を過ごしてもらおうというものです。
どんな感想が飛び出すでしょうか。
おかあさんの苦労とおなかの赤ちゃんを思いやる気持ちの一端でもわかってくれたら大成功です。
担任からのこんなお願いでおうちの方々から、我が子へのメッセージが寄せられました。
大ちゃんのおかあさん
大・・は、母さんにとって二番目の赤ちゃんだよね。
女の子の次は男の子が欲しかったので、とてもうれしかったのを覚えています。
君の命が芽生えた頃、お姉ちゃんは6ヶ月の赤ちゃんでしたから、大きくなっていくお腹で大きくなっていくお姉ちゃんを抱っこして今思うとすごい力持ちだったと思います。
その頃はちっともたいへんでなくて、日毎に大きくなってくるお腹を皆で楽しみにしていました。
24日の朝、お腹が痛くなってきたので病院へいきました。
ところが、陣痛がおさまってしまったので注射をうって、点滴をしてもらい陣痛をおこしました。
なかなか出てこなかったので生まれたときはほっとしました。
男でも女でもどちらでもいいから無事に生まれてきてほしいと思いました。
とても元気な泣き声で、先生が「手足の大きな男の子だよ」と言って見せてくれました。
生まれてから退院の日まで父さんもお姉ちゃんもおじいちゃんもおばあちゃんも皆が毎日会いに来てくれました。
お姉ちゃんは君に焼きもちをやくことは一度もなく、もうひとりのお母さんのようにかわいがってくれました。
お父さんは名前は子どもにあげる最初のプレゼントなので一番いい名前を考えるために本を見たり人にみてもらったりといっしょうけんめいでした。
たくさんの人に見守られて愛されて、君は大きくなりました。
こんな小さな母さんのお腹に入っていたのに本当に大きくなったね。
I君のおかあさん
お母さんは翔・・がお腹にいる間も仕事をしていて、駅の階段も1段とばしで登っていたぐらい元気な妊婦さんでした。
でも、産休に入って歩かなくなったとたん、足下が見えないくらい大きなお腹になって、爪を切ったりくつしたをはいたりするのがたいへんでしたよ。
そして、予定日の1週間前の夜とつぜん破水してしましました。
破水というのは、赤ちゃんを包んでいる膜が破れて中の羊水が流れ出すことです。
お母さんはこわくて足がガクガクとふるえてきました。
「がんばれよ」ってはげましてくれているおとうさんも何だかふるえているような気がしました。
それから陣痛がきて、とってもお腹が痛くて痛くて死にそうでした。
でも、早く翔・・に会いたくて一生懸命がんばりました。
そして、13時間たった11月2日の朝、やっと会えた!!お父さんそっくりな顔をした翔・・に。
すごくうれしかった。
ちょっと不思議な気持ちだった。
お父さんとお母さんはこの小さな命をとても大切に思いました。
3億匹中1番になって生まれてきてくれて、ありがとう。
翔・・は大きく翔たけますように!と願いをこめてお父さんとお母さんが考えた一番の名前です。
K君のおとうさん
予定日の一ヶ月前ぐらいから仕事も手につかず名前を姓名判断の本とかを見ながら考え、腹の様子を手でさぐったり、初めての子なのでとてもわくわくしていました。
生まれる前はラマーズ法を映画じゃないけれどやりたくて病院へ行ったところ、「まだ時間がかかりますよ」と言われ、家の方へ帰ったけれど,
帰る前に生まれましたとTELが入りがっかりしました。
けど、五体満足でなにより、健康でなによりです。
Yちゃんのおかあさん
つわりが5ヶ月まであって妊娠してもやせてしまいました。
油っこいもの・肉などは食べたくない状態で、魚(焼き魚・さしみ)ばかり食べていました。
みかんも一日10個は食べていました。
出産時は腰が痛くておばあちゃんにずっとさすってもらっていました。
とても痛かったけど、看護婦さんに「元気な女の子ですよ」といわれたときはほっとして体の力がすうっとぬけたような感じでした。
おとうさんに電話をかけると「おつかれさま」といって照れくさそうに笑っていました。
その夜病院にきて、Y・・と会ったときは「ちっさいなあ」といっておそるおそる抱いていました。
Hさんのおかあさん
10年前、あなたを妊娠したとき、お母さんは20才でした。
若いということもあっていろいろと不安もありましたが、何よりも「ただただ五体満足で無事生まれてきますように・・・」と祈っていました。
あなたを出産するときは「ラマーズ法」という方法を選び、お父さんに立ち会ってもらいました。
陣痛が始まってから生まれる瞬間まで38度以上の熱が続き苦しみましたが、お父さんが側でずっと励ましてくれました。
4月9日あなたは誕生しました。
あなたが誕生した瞬間、お父さんとお母さんは今までにない喜びと感動、そして感謝を知りました。
10年経って、今あなたはすくすくと育ち、周りの人たちに支えられて、心の優しい女の子に成長しました。
あと10年したら自分で人生を歩んでいる年ですね。
でもどうか忘れないで・・・お父さんとお母さんがどんなときもあなたを愛し見守っていることを。
